「うん。ほんと強力だったね…」
[リンダ・ロンシュタット 「悪いあなた」 の歌詞と訳詞]
Feeling better now that we're through
Feeling better cause I'm over you
ちょっとはマシな気分 あたしたちの関係、もう終わり
ちょっとはマシな気分 もうあなたなんか気にしない
I've learned my lesson it left a scar
Now I see how you really are
心に傷は残ったけれど これもいい勉強ね
あなたのこと 今はよくわかる
You're no good, you're no good, you're no good Baby, you're no good (I'm gonna say it again)
You're no good, you're no good, you're no good Baby, you're no good
あなたはほんとに悪いヤツ
何度でも言うわ
とんでもない人 あなたは
I'm telling you now baby that I'm goin my way Forget about me baby cause I'm leaving this day
あたしは自分の道を行くから
きょう旅立つから
もうあたしのことは忘れてね もうかまわないで
いつもの伊勢佐木町の居酒屋で、ライブの打ち上げ。
今日のオープニングで「悪いあなた」をものすごい迫力でシャウトした恵子は、得意満面でジョッキを空ける。
「だいたいこのあたしがさー、いつまでもつまんない男にひっかかって泣いてるわけないじゃん」
(いや、泣いてたじゃん…)と思いながら、目を合わせないように、こっそりとビールをすする自分。
恵子は「悪い男」に振り回されて、ライブでも号泣を繰り返していたんだけど、
あんまりかわいそうで、
自分も前から実はちょっと気になっていたこともあり、
このあいだ、つい成り行きで告白してしまい…。
…「美人がだいなしだよ」
…「え? え?」
それから別人のように元気になってしまった。
まあ、ボーカリストにはめずらしく単純な娘なんで、一気に気が晴れたんだろう。
かといって、別に付き合いが始まったわけでもなく、
自分としては中途半端な状態が続いている。
「おー、飲んでる? 未成年のクセにおねーさんを口説こうなんて、十年早いぞー」
いきなりもう完璧に泥酔状態の恵子が、乱入してきた。
周りのヤツらが気の毒そうに見守る。
恵子の酒癖の悪さを、よくわかってるんだ。
「…!!」
アタマにきた。未成年をなめるな。きょうは後悔させてやる。。