4月 13, 2010

永遠のロキシー・ミュージック

4月 13, 2010
ロキシーミュージック再結成のころ、2001年10月、ロンドンハマースミスの、あの「アポロ」でのライブを収録したDVD。
ストリートライフ、レディトロン、アウトオブザブルー、マザーオブパール、ラブイズドラッグ、フォーユアプレジャー、そしてアバロン…、1970年代から常にトップランナーであった彼らのまさにベストオブベスト、最高のセット。

フィル・マンザネラ、アンディ・マッケイの伊達男フロントツートップ。二人ともいい感じのオヤジになっている。ドラマーのポール・トンプソンはすっかりお父さんになっていて面影もなかったけれど、サポートギタリストのクリス・スペデインング(!)は、まったく容貌おとろえず。

そしてやっぱりミラクルなのはブライアン・フェリー。70年代、そのころ僕は高校生だったのだけれど、夢中になってLPを聞いたり、(彼らのLPジャケットのカッコよさはあのころでもピカイチだった)ミュージックライフ(おお!)でライブ写真を見つけてはうっと
りとながめていたあのころと、まったく変わっていないあのルックス。

銀のスーツ、青い目、グリスでなでつけた短髪、長身を悩ましげにくねらせて、汗をしたたらせながら歌うその姿…。ミック・ジャガーもすごいけれど、この人もある意味バケモンですね。

いえね、はっきりいって上手くはないんですよ。もう40年やそこらはバンドやってるだろうに、特にすごいアンサンブルじゃないし、みんな味のあるプレイではあるけど、けしてテクニカルな人はいないし。
だけど…やっぱりすごいんだ。これで40年やってきたカッコよさ。誰にもまねできないオリジナリティ。

キラ星のようなオリジナルヒット曲を連発する中で、フェリーはたった一曲、カバー曲を歌う。。
ジョン・レノンの「ジェラス・ガイ」。

傷つけるつもりなんてなかったんだ。
泣かせてしまってごめん。
傷つけるつもりなんて本当になかった。
ただ僕が嫉妬深かっただけ。


涙なしには聞けません。とくにエンディング近く、一瞬のブレイクのあとに響き渡るフェリーの口笛ソロの切ないことといったら…。

ポールのドラムが盛り上がり、アンディのサックスがソロを引き継ぎ、フェリーは観客にハイタッチを繰り返し、観客は声を限りの声援を送り…。

最高のロックバンドの、最高のパフォーマンス。ロックンロールショーにはごくまれに、こんなに奇跡のように美しい瞬間があります。だからやめられないんだよねえ。

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