「お父さんのチャーハンが食べたい…」
気がつくと私は泣き出していた。
お父さんのチャーハンは…
たまごかけご飯をただ炒めただけ…みたいなヤツで、
パラパラというより、パサパサだし、
隠し味のソースは、隠れてないし、
お父さんのチャーハンは、
お母さんが風邪のときとか
怒って実家に帰っちゃったときとか
そんなときに決まって出てくるものだった。
「お。きょうは、チャーハンだ」
「…」
「うまいか?」
「…」
なれない料理。
なれない二人きり。
高校生になって
外食も増えて
「お、きょうは?」
「食べてきた」
そのチャーハンを食べることもなくなったけど
結婚式の三日前…
「お父さんのチャーハンが食べたい…」
…
「うまいか」「うまいか?」
あのときは言えなかったけど…
「うまい…」
…あと…ありがとう、お父さん…
東京ガスは、時にとてもいい作品を作ってくれます。
心にしみる…。
お父さん役のきたろうが、とってもいい感じを出してます。
そうだよ、そんなにぐずぐずかき回してたら、
おいしくないって。ほんとにただのたまごかけゴハンだって。。
でも、そんなゴハンしかつくつくれなくても、
この娘はお父さんが大好きだったんだろうな。
最後に、「いままでありがとう」って、言いたかったんだろうな。
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