君の心へ続く長い一本道は いつも僕を勇気づけた夜の歌番組で、財津さんがしみじみと歌っていた。
しみじみと聞き入ってしまった。
番組の中でも、観客たちが、
静かに、それぞれの人生を思い返すように
しみじみと聞き入っていた。
とてもとてもけわしく細い道だったけど1970年代のチューリップはすごかった。
今君を迎えにゆこう
「魔法の黄色い靴」 でデビューして、
「心の旅」 (あ~だから今夜だけは…)
「夏色の思い出」 (君をさらっていく風になりたいな…)
「銀の指環」 (夕べも僕は眠れなかったよ…)
…きら星のようなヒット曲の連続。
当時の自分は洋楽ハードロックにのめりこんで、
「日本語のロックなんて」 とほざいている
非常にかわいげのない中学生だったのだけれど、
それでも歌い出しを全部覚えてる。すごい。
「青春の影」 は 「銀の指輪」 に続く、6枚目のシングルだ。
それまでは 「ビートルズみたいだあ」 ってイメージしかなかったのだけれど、
この曲を聴いたとき、正直、びっくりした。
いきなりこんな、真正面の作品がくるとは。
日本語とか英語とか、ロックとかフォークとか
(当時はその辺が大きな問題だった…)
そんな迷いも、なんの計算もない、まさに名作とか、
スタンダードの名にふさわしい曲。
「もしかしていま、自分は、歴史に残る名作の誕生に
立ち会っているのでは…」 と思ったものだ。
いま思えば、確かにそのとおりだったのだが。
自分の大きな夢を追うことがあれから37年もたって、
今までの僕の仕事だったけど
君を幸せにするそれこそが
これからの僕の生きるしるし
たくさんの恋人たちがこの歌を聞き、
この歌を歌い、愛をはぐくみ、
それぞれの人生を歩んできたのだろう。
そして、この歌を聴くとき、
それぞれの青春が、
( 「青春」 とか、カッコつきで斜にかまえるのでなく、
まっすぐな意味で)
心に鮮やかによみがえるのだろう。
いい歌は、強いですね。
たくさんの人の心を、暖かくすることができる。
↓さて、ちょっと唐突かもしれませんが、こちらをぜひ、見てください。最後まで。
きっと何かを感じることができると思います。
私は泣きました…。
★ 「青春の影」 をシングルカットするのはかなりスタッフ間でもめたらしい。
もうすこし、ポップ路線を続けて手堅く売りたい、というプロデューサーの意見が強かったのだとか。
でも、 「チューリップがここで大きくなるためには、ここで、こういう曲を出す必要があるんだ!」と言い切って押し切ったスタッフがいたらしい。熱い人だけが、歴史を作れるんですね。
で、そのとき反対した人がその後亡くなって、財津さんがお墓参りをするシーンがあったのだけど、その人の墓石には 「僕の好きな歌」 が彫ってあって、
プレスリーとかの洋楽ばかりなんだけど、
邦楽でただ一曲彫ってあったのが、 「チューリップ 青春の影」 。
…すばらしい話です。
この人も、また、音楽に人生をかけた熱い人ですね。
しかし、自分の墓石に、大好きだった音楽を永遠に残せるなんて…。
自分には永遠に残せるものが、なにかあるだろうか…。
しみじみと考えてみたいと思います。
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