3月 19, 2010

Of はそんなにいいか?

3月 19, 2010
中2の長男が英文法で悩んでいるのを見て、思い出したこと。


語学書の編集をやっていたころ、
部下に「文法オタク」がたくさんいた。

編集者が「オタク」になってしまうのはいかがなものか。
テーマについて「大好き」であることは大前提だけれど、
ある程度のクールな距離感というか、客観性が必須なのではないか。

…と、自分では思うのだけれど、実際みんなオタクだったのだから、しかたがない。
どのへんがオタクかというと、
文法を詳細に知っているとか、
用例に異様にくわしいとか、ではなくて、
(もちろんそういう面もありつつ、なのだけれど)

文法や語法自体をまさに「愛している」という感じなのだ。

「グラマー・ラブ」というか。


少々「偏愛」方向に走っているところがあって、
あまり気持ちよくはない。。

たとえばこんな会話。

「of はいいよね」
「いいね」
「あの語感とかさ、たった二文字できりっとしてるとことかさ」
「おお、おお」
「熟語になったときの、たたずまいとかね」
「コロケーションもね」

「おお、おお」
「of じゃなきゃありえないよな」
「やっぱ of だよ。最高だよな」

…前置詞ひとつで、そこまで盛り上がるか。
二文字でそんなにいいなら、
betweenとかだったらどうなる。
「betweenって、いいよね」
「泣かせるよな」…
一晩中語りあかせるのかしら。

あるいは世界で一番長い英単語なんかだったら。
「あのLLANFAIRPWLLGWYNGYLLGOGERYCHWYRN…」
「でもLLANFAIRPWLLGWYNGYLLGOGERYCHWYRN…の気持ちになってみたらさ…」
おそるべし、文法オタク。

今はその編集部も解散して、もう会うこともないけれど、
聞くところでは文法オタクどうしで結婚したやつらもいたとか。

of が取り持つ仲だったのだろうか。

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