12月 28, 2009

爆音

12月 28, 2009
「エレキ・ギターで、巨大な音を出すことがどんなに気持ちいいか、この曲ほど、わからせてくれる曲はない」

きのう、シナロケの「レモンティー」について、こう書いたんだけど、もう少し言いたい。

大学でバンドをやっていた頃はハード・ロック全盛、ヘヴィ・メタルなんて言葉も出てきたかこないか、っていうタイミングで、もちろん「ミクスチャー」とか「グランジ」なんてまだまだ先の話。

だから「爆音」って言葉は確か、なかった。「大音量」とかかな(トホホ…)。
「轟音」くらいはたまに出てきたかも。今考えると、でっかいアンプでエレクトリック・ギターを思いっきり鳴らすときの快感と「爆音」っていう言葉は、けっこうしっくり来るなあ、と思う。

アンプは重たいほどいい音がするって思ってた。トランジスタより、できたら真空管のほうが、いい。サウンドがあったかいし、厚みがあって、中低音がしっかり出て。

ローコードで、ストローク一発。ストレートに歪んだ音が風圧とともにスピーカーを揺るがす。でっかい音だと、ほんとうに風を感じるんだ。チューニングがきっちりあっていれば倍音がキレイに出て、サステインがグゥーンと伸びて。自然にフィードバックにつながって、それをアームダウンして空間をねじ曲げた後、5度のリフをガシガシと刻む。ドラムがいい感じで切り込んで、ベースが「ドゥイン」とかいってグリスダウンしてきた後、クールにルートを打ち込み始める。

ああ、なんてかっこいい。心が震える。この瞬間、自分は無敵。
爆音の快感をうまくコントロールできるギタリストに勝てるやつなんて、この世に存在しない。どんな素人ギタリストも、そんな風に思える一瞬があって、それを一度でも知ってしまうと、勝手に育ちはじめる初期衝動をもてあますことになる。

バンドを辞めて、もう長い間仕事だけの生活が続いているけれど、ここのところ、あの衝動がよみがえることが多い。同年代がバンドを再開し始めている、っていうこと、すごくよくわかるな。

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